お知らせ

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第34回女性リーダー研修会 平成30年11月20日開催

基本テーマ 超高齢・少子化・人口減少社会における高齢者への地域支援 ~同世代同士の支えあい

今年も女性リーダー研修会が開催され143人の方が参加されました。午後の分散会に先立ち、基本テーマについて中京大学現代社会学部の野口典子先生に講演をお願いしましたので、その要旨を紹介いたします。

【講演要旨】

人生80年といわれて久しく、最近では人生100年も現実味を帯びてきました。

こうしたなか、高齢者の生活実態や生活意識を概観してみます。 ①単身世帯で会話がないことや②困ったときに頼れる人がいないこと、③社会活動への参加実体がないこと、④健康のことや配偶者亡き後のこと、病気の時の世話などに不安を感じること、⑤近所付き合いがないこと、⑥孤独死への不安、⑦買物や通院などが不便になること、⑧緊急時に子ども以外に頼るところがないこと、⑨詐欺事件の被害者になることへの不安があげられます。今後、高齢者支援を考えるヒントになると思います。

それでは、なぜ、高齢者同士の支えあいが必要なのでしょうか。次のことのようなことが考えられます。 ⑴高齢者にも年齢や健康状況に応じて元気高齢者から介護サービス利用受ける方まで、さまざまな方がみえます。元気高齢者はお世話をする立場に回ることができます。高齢者のことをよく理解できる高齢者がお世話をすることにより助け合いがスムーズになります。 ⑵日本はデンマークなど異なり、国民にそれほど高い負担を課さないかわりに、高い水準の社会保障を実現する制度をとっていません。医療・保健・福祉・介護サービスネットの水準を高めれば財政上大きな負担となりますので、これを補う共助が必要となります。 ⑶高齢者に社会的有用性を実感してもらうことからも、高齢者の高齢者に対する支援が重要になります。社会の役に立つことは、人生の生きがいにもなります。

それでは、高齢者同士の支えあいの秘訣は何でしょうか。 ⑴くらしや地域に興味や関心を持ち気軽に参加することです。興味や関心のないことは長続きしません。 ⑵他人事と思わず、自分のこととして考え、解決を考える「おせっかい」のすすめです。 ⑶人の話を素直に聞ける聞き上手のすすめです。個人が抱える悩みは解決の難しいものが多いのですが、聞いてもらうことにより心安らぎ解決に向かうケースもあります。⑷たとえば、認知症方がおみえになるとします。この方の認知機能が低下しているから、お世話するという考えではなく、認知の状態を含めてひとりの人格ととらえてお付き合いをすることです。 

高齢者同士の支えあいは老人クラブの重要な役割でその活動の中で実践されていますが、むしろ、老人クラブはクラブに参加されていない人を対象にすべきであり、こうした活動が会員の増加にも役立つものと考えます。

 


 

 



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